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業界大予測岡山県下80業種大予測2017

景気はどうなる 業界代表80人に聞く

  • 軽自ラインで夜間操業再開した三菱自動車水島製作所

 2016年の国内の景気は新興国経済の減速、円高などで足踏み状態が続いた。県内では三菱自動車の軽自生産中止、大型工事の一巡などで盛り上がりに欠けた。17年はアベノミクスの地方への波及効果が乏しく大きな伸びは期待できそうにない。その中でもいくつかの再開発計画が動き出したほか、物流施設の建設が相次ぐなど、好材料はある。予想外のアメリカのトランプ政権誕生でますます先行きが不透明になった中で、岡山県下の各業界の代表に見通しを聞いた。

岡山経済を占うキーワード

[マイナス金利続く]
貸出競争歯止めかからず
住宅需要の発掘にプラス

 日本銀行は昨年1月マイナス金利導入を決定、同2月16日から適用された。さらに同9月に政策を維持するほか、長期金利を0%程度に誘導し金融緩和を強化することを決定し、当面この超低金利状態は続く見通し。

 県下の金融機関は今年も運用難で収益的に厳しい状況だ。市場金利低下で本業の貸出金の利回りが縮小。それをカバーしようとさらに量的な拡大に走り競争が激化するだろう。

 企業側にとっては、貸出競争で資金繰りが緩和され、引き続き倒産は少ないだろう。㈱東京商工リサーチ岡山支店によると、昨年の県下倒産状況(1~11月累計)は件数65件。前年同期も63件で低水準が続く。一方で、企業年金などでは運用難で厳しそうだ。

 そのほか、マイナス金利で住宅需要は底堅いと予想される。昨年の県内の新設住宅着工戸数(1~9月累計)のうち持ち家は4299戸(前年同期比8.1%増)と好調だ。住宅ローンの金利が下がり購入を促したことが要因で、業界にとっては追い風だ。

[物流施設建設ラッシュ]
大手が拠点性着目し進出
地元運送業者参入相次ぐ

 岡山県下で物流拠点の新設が相次いでいる。大手荷主企業が物流の効率化を狙い、国内の物流拠点の見直しを進めており、自然災害の少なさ、交通の利便性から岡山県を中四国の拠点として選定しており、この勢いは当面続くとみられる。

 日本郵便㈱(東京都)は、岡山総社IC近くに宅配便、郵便物の大型物流施設(約4万㎡)を建設中で年内には完成する見通し。低温食品輸送の㈱ムロオ(広島県呉市)は倉敷市片島町に物流拠点(約1万2000㎡)を整備している。㈱岡田商運(岡山市)は本社隣接地に大型の常温倉庫(3300㎡)を建設、4月稼働予定。㈱凪物流(同)は岡山市中区倉富に大型倉庫(3600㎡)併設の本社を建設、3月完成を目指している。 HINODE&SONS㈱(倉敷市)は倉敷市船穂町に物流センター併設(倉庫約5200㎡)の新本社を建設中、11月の完成予定。全国大手だけでなく、地元運送会社も倉庫を整備するケースも増えている。

[人手不足ますます深刻]
バブル期並みの求人倍率
専門人材の争奪戦も激化

 少子高齢化で労働人口が減少し人手不足が深刻化している。ほぼ全業種に影響し経営面で大きな懸念材料だ。今年はさらにひっ迫すると予想される。

 岡山県下の昨年10月の有効求人倍率は1.76倍でバブル期並みの高水準。2015年10月の1.52倍からもじわじわ上昇。労働人口が減り求職者が減っているため。賃金も上昇傾向にある。

 建設関連では従来から現場作業員が不足していたが、ここ1年で現場を監督する監理技術者の不足が表面化してきた。安全への規制強化により一定規模の工事の現場に専任での配置が義務付けられたため。しかし、有資格者は圧倒的に不足、やむなく受注を見送るケースも出てきている。

 人手不足は好不況に関係なく構造的な問題で、今後企業側にもそれを前提にした経営が求められる。国の「働き方改革」もあり、作業や営業の現場、内部事務などあらゆる業務で省力化、効率化への取り組みが加速しそうだ。

[再開発ラッシュ]
岡山市中心部で本格始動
本組合移行に全力投球へ

 岡山市の市街地を中心に再開発、リノベーションへの動きが本格化する。既存の建物の老朽化、大型店の撤退などを背景に再整備の必要に迫られたためで、街の姿が大きく変わりそうだ。

 岡山市は昨年6月に岡山市民会館と市民文化ホールの移転先を表町商店街南部の千日前地区に最終決定、21年度末までの完成を目指す。今年は未同意の地権者との交渉を詰め、同地区の再開発準備組合の本組合への移行、事業計画の認可に向け準備を進める。

 岡山駅前商店街周辺では、昨年9月に市北区駅前町1丁目地区のミヨシノ跡地、映画館の岡山メルパなどを含む約1万㎡を対象にした市街地再開発の準備組合が発足した。今年は詳細な事業計画を策定する。ドレミの街では年明け早々にも耐震化、全面改装工事に着手する。2月にはイトーヨーカ堂岡山店が閉店、その跡地利用がどうなるか、注目される。

 市西部では、岡山市が北区野田の市営住宅「北長瀬みずほ住座」の移転新築をPFI方式で進める。4月の業者選定の入札に向け準備中。問屋町では県卸センターのオレンジホールが6月末で閉館、解体跡地を再整備する。

[三菱、生産回復]
マイナーチェンジで増産
地元勢の取引継続が焦点

 昨年4月の燃費データ不正問題を機に日産自動車㈱(横浜市)の傘下に入った三菱自動車工業㈱(東京都)。閉鎖も懸念された主力生産拠点である水島製作所(倉敷市)の存続が固まり、地元は安堵しての越年となった。今年は新車投入で生産台数の増加が見込まれるほか、共同開発の軽自動車新型車の投入に向けた準備の年となる。

 不正発覚後軽自の生産を中止していたが、昨年7月に再開、11月に「eKスペース」のマイナーチェンジ車の投入で夜間操業を再開し昼夜2交代制にした。11月は軽自の生産台数が約1万台だったが、12月は約2万台に増えた。今後さらに「eKワゴン」のマイナーチェンジを控えている。

 eKシリーズは三菱主導で開発したが、次期新型車は日産主導。そのため、地元の協力企業が従来通り取り引きを継続できるかどうか不透明だ。日産系の部品メーカーに対抗できるだけの技術力の強化が求められ、この1年が正念場とも言える。

本誌:2017年1.1号 20ページ

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