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巻頭特集Ⅱ働き方改革 岡山県・労働局の取り組み

企業や就職控えた学生の関心アップ 「孫育て休暇奨励金」はいまひとつ

 ワーク・ライフ・バランスなど働き方改革に向けた県の取り組みは、2015年5月の「日本創生のための将来世代応援知事同盟サミット」での合意を受け本格化した。本格化以降2年目となる今年度は県民生活、保険福祉、産業労働部で計7事業を新設している。岡山労働局も県との共催イベントなどで、県下企業の働き方改革を支援している。

 県の新規事業で好評なのが「働き方改革 出前講座」。何から始めていいか分からない、現状では残業削減は難しいなどといった県下企業の悩みを解決するため、委託先の県社会保険労務士会所属のWLBコンサルタントが企業・団体を訪問し講義。「女性活躍推進」「残業削減」「生産性を高める働き方」から好きなテーマを選択できる。

 昨年9月1日の募集開始後、県中小企業診断士会や岡山市医師会のほか、警備業、ゴム製品メーカーなどから応募があり、1カ月ほどで定員の10件に達した。県男女共同参画青少年課では「何よりも企業側の関心が高まっている」と言う。

 企業向け以外の支援策も実施。ワーキングマザーの掘り起しを目的にしているのが「ママの多様な働き方応援事業」。昨年度、母親を対象にしたセミナーや合同企業説明会を実施した事業に、就職や生活費などについての相談窓口となる「就活コンシェルジュ」を加えて事業名を変更した。それぞれ年3回実施するセミナーや合同説明会には昨年末時点で計400人以上が参加しており、前年度の326人を上回った。同課では「就活コンシェルジュを設けたことでセミナーなどへの誘導、アフターフォローができ、各取り組みが連動するようになった」と分析する。

 母親が働きやすい環境づくりへ、父親のほか、子育てを支える両親向けの奨励金制度は2015年度から開始。全国的にも珍しい「孫育て休暇奨励金」(1日以上、5万円支給)を設けており、前年度は8件の応募があった。認知度不足もあり今年度は2件にとどまっている。

 また、若い世代からの意識改革を図る施策として、昨年12月10日に、岡山大学創立五十周年記念館で「学生と企業のための男女共同参画シンポジウム」を実施。就職に対する意識が高まる大学生2~3年生を中心に声掛けし、前年の2倍となる120人が参加した。また、男女共同参画や子育て支援などに積極的な企業14社を集めた展示ブースには、大学生数十人が参加。企業担当者に積極的に声掛けする女子大生の姿が目立ち、主催した男女共同参画青少年課では「子育て支援への姿勢などが、企業を選ぶ目安の1つになりつつある」と強調する。

 県労働雇用政策課では同11月1、7日に岡山労働局との共同で「働きやすい職場づくり推進セミナー」を実施。関心の高い今年1月施行の改正育児・介護休業法についての説明・相談会を催したこともあり、両日で約380人もの参加があった。

 また、岡山労働局では、社会保険労務士3人を働き方、休み方改善コンサルタントに任命し、資料提供から企業などへの訪問、研修会の開催など企業・団体の要望にこたえている。利用無料。今年度は4~11月に72件の利用があり、前年同期と比べ2倍以上となっている。

 また、県では企業の現状把握へ調査を実施。県男女共同参画課では、女性の採用や昇進の実態など女性の活躍推進をテーマにした調査を実施。3000社を対象に、3月末までに回収する。雇用政策課では企業の取り組みを促進するため現在、長時間労働解消、育児支援の企業の取り組みについて調査中。両調査とも、次年度早々に事例発表や分析結果をまとめる予定で、今後の事業策定に生かしていく。

本誌:2017年1.1号 15ページ

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