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巻頭特集「建設業経営・職業相談センター」開設1年

約300件、“成果”徐々に 取り組みへの温度差も

 「岡山県建設業経営・職業相談センター」(岡山市弓之町4-19-202)が開設されて1年が経過した。その間の相談件数は300件を超え、新事業立ち上げの “成功例”も生まれた。一方で、昨年秋の台風被害による「特需」があったこともあり業者間の温度差はなお大きく、9000社とも言われる業界に意識改革を浸透させるにはまだ時間がかかりそうだ。

 同事業は、経営環境の厳しい建設業者の経営改善、新分野進出、従業員のスムーズな労働移動の支援が目的。昨年4月から3月末までの相談件数は303件に上った。開設当初はPR不足もあり利用は低調だったが、移動相談会や電話による呼び掛けなどで夏ごろから利用が増加した。内訳は新分野進出に関するものが81件、融資等9件、経営全般6件、労働・雇用5件-など。「新分野進出に関する講演会には70人が参加。関心を持つ経営者は多い」と県新産業推進課。

 また、「きっかけ作り」の後押しという趣旨からは一定の成果とも言える、新分野進出支援対策費補助金は4社に交付。一般建築塗装の(株)岡憲塗装(岡山市新保674-19、高橋憲志社長、資本金1000万円)は、光触媒(酸化チタン)を風呂やトイレ、窓ガラスなどにコーティングするだけで「抗菌」「防汚」「脱臭」などの効果を発揮する「吹き付けの技術を生かしたサービス業」の展開に奮闘している。

 「建築塗装の業界も公共事業の削減などで厳しい。知り合いに紹介され事業化を考えていたところにセンターのことを知り、“駄目もと”のつもりで相談に行った」と高橋社長。その後、補助金(100万円)などを元手に従業員2人を採用し、光触媒に関する研修を重ね事業化。「岡山での認知度は低いが、シックハウス症候群への関心が高まっており、衛生管理が重要な食品工場や病院などでの需要も見込める」と新たな事業の柱として期待しており、このほど、事業の本格化に向け社屋も増築。将来は“光触媒の本場”とも言える名古屋への進出も視野に入れる。

 このほか、山菜の栽培技術の研究(赤磐市内の業者)、道路等の路肩で使用する植物成長抑制マットの製品開発(新見市内の業者)、大気汚染観測用大気イオン濃度計測器の開発(岡山市内の業者)-で補助金が交付され、新製品・新サービスを開発中。具体的な成果を聞いた業者からの問い合わせも増えつつあるという。

 一方、問題意識はあるものの「何かよい方策はないか…」というレベルの相談者も多い。県では「ある程度余力がなければ新分野進出もなかなか難しい。一時的に仕事量が増えても、長い目で見れば公共投資の削減は避けて通れない」と指摘。17年度も引き続き、県民局の支局単位で相談会を開くほか、新分野進出に関する講演会などを通じ支援を継続する。

本誌:2005年4.11号 4ページ
関連リンク:岡憲塗装

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