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[法律] 定年後の継続雇用拒否

Q. 当社では、就業規則で従業員の定年を60歳と定めているため、労使協定により継続雇用基準を定めて継続雇用を希望する高年齢者のうち基準を満たす者を再雇用する制度を導入しています。継続雇用を拒否するにあたり注意すべき点がありますか。

合理性、社会通念上の相当性が必要

A. 現行高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(以下「高年法」)9条1項は、65歳未満(なお附則4条1項参照)の定年の定めをしている事業主は、定年の引き上げ、継続雇用制度(現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度)の導入または定年の定めの廃止のいずれかをしなければならないと定めています。また、同条2項は、事業主が、労使協定により継続雇用基準を定めて当該基準に基づく制度を導入したときは、継続雇用制度の導入をしたものとみなすと定めています。

 近時、現行高年法9条2項に基づき継続雇用制度を導入したものとみなされた場合における従業員に対する定年後の継続雇用拒否の効力が問題となったケースについて、最高裁平成24年11月29日判決は次のように判断しました。すなわち、従業員が継続雇用基準を満たすものであり、雇用が継続されるものと期待することには合理的な理由があると認められる一方、従業員を再雇用することなく雇用が終了したものとすることは、他にこれをやむを得ないものとみるべき特段の事情もうかがわれない以上、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないものと言わざるを得ないとして、当該具体的な事実関係の下においては、当該従業員との間に、従前の雇用契約の終了後も継続雇用制度に基づき再雇用されたのと同様の雇用関係が存続しているものとみるのが相当である、というものです。

 なお、高年法の一部が改正され(平成25年4月1日施行)現行高年法9条2項は廃止されましたが、同日以前に労使協定により継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めていた事業主については、経過措置として、段階的に引き上げられる老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢以上の年齢の者について継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めることが認められています。このため継続雇用拒否の効力が問題となった上記最高裁判決はなお重要な意義を有すると考えられます。


おかやま番町法律事務所
岡山県岡山市北区番町1-5-5
弁護士
池田 曜生氏
TEL.086-231-1645

本誌:2013年3.25号 29ページ

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