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3.11謝謝台湾

 WBCは大変な盛り上がりをみせています。すでに侍ジャパンはチャーター機で決戦の地サンフランシスコへ旅立っていきました。これまでの日本でのいずれの試合もエキサイティングなものでしたが、なかでも対台湾戦は歴史的な名勝負でした。

 手に汗をにぎる試合内容もすばらしかったし、それぞれのチームを応援する日本と台湾の観客の心が熱く通じたという意味においても、スポーツがもたらす最良の部分を体感できたのがこの試合だったと思います。

 2年前の東日本大震災の大惨事に対し、台湾はいち早く150億とも200億円とも言われる巨額の義援金を日本に送ってくれました。それなのに昨年3月の政府主催追悼式で民主党政権は中国におもねて台湾代表を一般席に座らせるというとんでもない対応をしてしまいました。

 そして、日本人として汚名を挽回する絶好のチャンスだったのが東京ドームでの日台戦でした。これまで台湾の人々にちゃんとお礼を言いたいと感じていた若者たちが試合会場で「台湾ありがとう」のプラカードを掲示しようとネットで呼び掛け、実際多数の「3.11謝謝台湾!」の手製プラカードが掲げられました。

 日本のテレビ局はこれらのプラカードの存在をいっさい無視して画面に映さなかったのですが、台湾メディアは大きく取り上げ台湾中に感動の嵐を巻き起こしました。これは日本人が思っている以上のメッセージを台湾の人々に伝えることになりました。

 現在、オリンピックなど国際的なスポーツイベントで台湾は「チャイニーズタイペイ」と呼ばれています。台湾の人々にとって屈辱的な呼称を甘受しているのが現在の非情な国際情勢です。ところが日本はマスコミも台湾をチャイニーズタイペイではなく台湾と呼んでいることがWBCのテレビ中継を通じて初めて台湾の人々の目にとまったらしく、この点も彼らが日本を親しく思ってくれるきっかけになりました。

 極東地域で相互に尊敬でき、心が通じる国は台湾しかないことを日本はもっと重視していかなければならないと思います。4月にはいよいよ岡山から台北直行便が運行を始めます。ただ週2便では予定をたてにくく、早期に週3便体制に移行できるよう多くの方々の活発な搭乗を県民の1人として願っています。

本誌:2013年3.25号 13ページ

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