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連載記事山田響子の魅力を引き出すコミュニケーション術

アドラー心理学的「感情」の使い方

 仕事や人間関係で、つい感情に振り回されてしまった経験はありませんか?イライラ、不安、落ち込み……私たちは毎日のようにさまざまな感情と向き合いながら働いています。感情を「抑えなきゃ」と頑張っている方も多いかもしれませんね。でも実は、感情は抑えるものではなく、“使いこなす”ものなのです。アドラー心理学では、感情を「目的に向かって動くためのエネルギー」として捉えます。つまり、感情に支配されるのではなく、感情を味方につけて行動につなげていくことができるのです。今回はアドラー心理学的「感情」の使い方をお伝えしていきます。ぜひ感情をプラスのエネルギーとして使いこなしていってください。

 例えば、仕事でミスをしてしまい「自分はダメだな……」と落ち込んだとします。このとき、「落ち込むなんて弱い」と感情を否定してしまうと、自分の内面にフタをしてしまうことになります。でも、感情は本来、私たちに何かを伝えようとしてくれているもの。「落ち込み」は、「もっと丁寧にやりたい」「人に迷惑をかけたくない」という気持ちの裏返しでもあるかもしれません。怒りも、実は「こうしてほしかった」「大切にされたい」というサインであることが多いのです。

 感情を押し殺すのではなく、まずは「そう感じている私がいる」と認めてあげましょう。そのうえで、「この感情は何を伝えようとしているのか?」と耳を傾けてみると、次にとるべき行動が見えてきます。私たちはつい、「感情をコントロールしなければ」と考えがちです。でも、感情は自然に湧き上がるもの。無理に抑えようとすればするほど、反動で強く出てしまうこともあります。

 アドラー心理学の視点から見ると、大切なのは「感情の扱い方を変えること」。

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本誌:2025年5月19日号 17ページ

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