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連載記事スローライフ~午後4時の窓辺から~

クラインガルテンをもっと身近に

 NHKの深夜番組「ドキュメント72時間」はいい着想の番組だと思います。ファミレス、空港、居酒屋……にテレビカメラを据え付け、72時間にわたってそこに出入りするさまざまな人々の生態を淡々と描き出します。大都会の片隅で生きる人々の素の姿を捕らえて秀逸。ときおりテレビカメラは地方にも目を向けるようで、1月中旬の放送では岡山市北区にある市民農園「牧山クラインガルテン」が取り上げられていました。

 クラインガルテンとはドイツ語で「小さな庭」という意味ですが、私も昔ドイツを旅していて鉄道沿線や河川敷の緑地に小さな木造の家がいっぱいあるのを見て、最初はそれらが何なのか不思議に思ったものです。菜園を借りた人たちの休憩小屋(ラウベ)だったのですね。そんなクラインガルテンが岡山にも存在していてなかなか人気があること、借りている人々にいい刺激と安らぎをもたらしていることが上手にまとめられていました。

 忙しいサラリーマン生活と趣味の園芸を両立させるために早朝の暗いうちに自転車でやってきては野菜の手入れをする若者、障害のある息子といっしょにタマネギの苗を植えるお父さん。息子さんの幸福なほほ笑みに心がほっこりしました。せっかく育てた野菜をイノシシにやられる不運もあるのですが、それもこれも含めて直に自然に触れ合うことができるのがクラインガルテンのいいところだと思います。

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本誌:2024年2月5日号 11ページ

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