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連載記事白髭千晴の人生を“きっと”豊かにする手帳活用術

一度止まって「正しい」と書く

 皆さんこんにちは!「手帳オヤジ」ことコクヨ山陽四国販売の白髭です。

 同僚や友人から「書きすぎだ!」と言われる私の手帳ですが、その記録を後からパラパラめくりながら眺めていると、その時にどんなことがあったのか、だれと、どんな話をしたのか、その時自分は何を感じ、どんな教訓を得たのかを想い出すことができます。手帳に書いてあるのは、ただ「やってきたこと、思いついたことの記録」なのですが、読むと記録以外のさまざまなことが一緒に蘇ってきます。最近観たTVドラマの中で主人公が「『事実』は一つしかない。しかし『真実』は人の数だけ存在する」と発言するシーンがありましたが、私の手帳にはまさに「事実の中にある真実の自分」が記録されていると言えるでしょう(笑)。

 日々忙しく過ごす私たちは、「記録をする暇があったら、今、やらねばならぬことを次から次にこなさねばならない」と考えます。さまざまな仕組みの中で生きている私たち「現代人」は、細切れになった「タスク」に日々追われ、次から次にそれを処理していく生き方を強いられているようにも思います。他者からタスクを受け取り、何らかの処理や付加価値を加えて次の工程に渡す日々に慣れてしまうと、それが一体誰に役立っているのか、結果としてどのような成果に結びついているのかが分からぬ日々が続いた挙句、「一番大切なこと」、つまり「自分の存在価値」に無関心になっていきます。「私は今日、これだけのタスクをこなした」という「事実」だけを頼りに日々を過ごすのは実に味気ない気がしますが、現代を生きる私たちはどんどん味気なくなっていく世の中を生きているのかもしれません。

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本誌:2022年4月4日号 9ページ

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