WEB VISION OKAYAMA

ジャーナルベクトル×両備HD

たまルン宅配買取サービス開始 5%上乗せし衣料品リユース促す

 アパレル品買い取り、販売の㈱ベクトル(岡山市北区駅前町1-8-1、村川智博社長、資本金5000万円)は、両備ホールディングス㈱(HD、同市)と業務提携し、4月上旬から服やバッグ、靴などの買い取り料金を地域のポイントサービス「たまルン」に還元するサービスを開始する。

 専用サイト「たまルン宅配買取」を開設し、たまルン会員に向け利用を促進。サイト上で買い取りを申し込めば、自宅に段ボールが届き、売りたいアパレル品を入れて返送後、3日程度で査定額がメールで届き、了承すればたまルンポイントか現金かを選び販売できる。たまルンの場合は、査定額に5%上乗せした金額相当のポイントで還元する。将来的には、ベクトル店舗でのポイントによる買い物も計画する。

 「ゴミバコのないセカイへ」をスローガンに、ファッションアイテムの廃棄ゼロを目指して事業を展開するベクトルと、たまルンポイントをの持続可能な社会への活用を進めている両備HDの思いが一致し実現。ベクトルの顧客層は若者が中心で、たまルンの主要層のミドルエイジへの買い取り需要開拓が図れ、両備HDもたまルンを通じて地域のごみ問題や廃棄物減によるCO2削減に貢献できるようにある。

 ベクトルによると、国内のアパレル品のリサイクル率は27%で、リサイクル率上昇のために、昨年10月から全国50店舗のドコモショップ店頭での買い取り受け付けや、小売店と連携した買い取りサービスなどアライアンスを促進。衣服の生産から着用、廃棄に至るプロセスで環境負荷を考慮した「サステナブルファッション」で全国ナンバーワン企業を目指している。

 「たまルン」は、2011年に両備グループ創立100周年を記念して導入したポイントカード。40~60歳代を中心に36万人が加入し、年間約1億5000万ポイントを発行し、岡山髙島屋、食品スーパー両備プラッツをはじめ、県内250の飲食店や小売店などで約1億4000万ポイントが使用されている。両備HDでは、ポイントによる地域への経済還流だけでなく、保護動物の寄付に使えるようにするなど地域の困りごと解決に使用できるよう活用方法拡大を図っている。


インタビュー
ベクトル社長 村川智博氏

後世に美しい岡山つなぎたい

□両備HDと業務提携した背景は。
 2030年のSDGs目標達成に向け世界中が取り組む中、日本の達成状況は17の項目のうち6つで課題があると評価されている。当社ではその中でも「パートナーシップで目標を達成しよう」に着目し、両備HDと連携することで多くのたまルンポイント利用者にサステナブルファッションを体験してもらい、リユース率向上につなげたいと考えた。
 リユース率が向上すれば、「つくる責任使う責任」の達成につながり、環境汚染の軽減にも貢献できる。大きなサステナブルの輪を形成したい。

□ベクトルが理想とする世界は。
 買い物に、使用しなくなった商品を持って出かけ、店に設置された交換カウンターで査定し査定金額と同等の店独自のポイントを付与して新しい商品のショッピングを楽しむという物々交換のような世界が理想。その交換カウンターの企業を担いたいと思っている。ポイント交換した時点で店に同等額を入金するので、店、お客さん、当社共に三方良しの仕組みとなる。

□今後の目標は。
 今回のように、地域企業が事業を共に作り出すことで、SDGsに貢献できる岡山づくりに貢献したい。取り組む企業も利用するお客様も楽しみながら参加できる取り組みが理想で、リユースやものを大切にするアクションが県民の習慣となり、環境負荷軽減につながる。これからも、柔軟な発想で、多くの企業とのアライアンスを推進し、後世に美しい岡山をつないでいければと思っている。

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本誌:2024年3月25日号 2ページ

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