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連載記事山田響子の魅力を引き出すコミュニケーション術

変化を恐れないマインドセット

 春の訪れとともに、新しい環境や役割の変化を迎える方も多いのではないでしょうか。転職、昇進、異動、新たなプロジェクトのスタートなど、ビジネスの世界では、変化は避けられないものです。しかし、「変化は怖い」「自分にできるだろうか」と不安を抱くこともあるでしょう。そんなときこそ、アドラー心理学の「自己決定性」の考え方が大きな力になります。今回は、変化を恐れないマインドセットについて、アドラー心理学の重要な柱の一つである、「自己決定性」をテーマにお伝えします。

 アドラー心理学では、「過去が未来を決めるのではなく、自分の選択が未来を創る」と考えます。例えば、「私はリーダーシップが苦手だから昇進には向いていない」と思う人がいたとします。しかし、これは過去の経験や環境による思い込みにすぎません。大切なのは、「これからどうしたいか」を自分で決めることです。

 変化に直面したとき、「自分にはどうしようもない」「環境が悪い」と考えてしまうと、成長の機会を逃してしまいます。反対に、「私はこの変化をどう生かせるだろう?」と問い掛けることで、新たな可能性が見えてくるのです。自己決定とは、「自分の人生は自分で選ぶ」という感覚を持つことです。仕事においても、「やらされている」と感じるのではなく、「自分が選んでいる」と思えることが大切です。

 例えば、異動を命じられたとき、「なぜ私が?」「知らない分野でやっていけるか不安」と思うのは自然なことです。しかし、ここで「これは自分のキャリアの幅を広げるチャンスかもしれない」「新しい学びがあるかもしれない」と考えることができれば、前向きな行動につながります。自己決定の感覚を持つためには、次の3つのポイントを意識するとよいでしょう。

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本誌:2025年3月10日号 13ページ

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