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連載記事山田響子の魅力を引き出すコミュニケーション術

目標を分割して考える

 新しい年が幕を開けました。誰もが今年はいい年にしたいと願っていることでしょう。さらには、「今年こそこれを達成する」「今年はこういう自分になる」と目標を掲げている方も多いかもしれません。アドラー心理学で考える目標との向き合い方についてお伝えしたいと思います。

 あなたは、所属する組織から高い目標を与えられたことはないでしょうか。実はアドラー心理学には「高すぎる目標は勇気をくじく」という言葉があります。では「自分を甘やかすことなのか」と勘違いされてしまいそうですが、そうではありません。高い目標にもメリットがあります。わたしも講座の中などでアイデアを3つは書き出してほしいと思ったら「この時間内で5つ書いてみてください」とお願いすることがあります。3つ書き出してほしいのに5つと言う。すると3つは書けている方が多くなります。これが「最初から3つ書きましょう」ですと、3つ書けない方が続出します。これが目標を高くおく効果の一つです。しかし多くの組織は、簡単に達成できる目標を設定しません。命令した本人でも達成不可能な目標を課してきます。少し負荷のかかる目標というのも大事なのです。

 しかし、この目標が「到達不可能」と感じた瞬間目標そのものを投げ出してしまったりする場合があります。投げ出すだけならまだいいのですが、目標を達成できない、目標に向き合うことができなかった自分に対して自己否定や自己肯定感を傷つける結果になることが最も避けたいことです。

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本誌:2022年1月17・24日号 25ページ

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