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連載記事スローライフ~午後4時の窓辺から~

用水路の泥上げ

 私が住んでいる田舎の集落では、毎年4月最初の日曜日は地域内の側溝と用水路の大掃除をする日と決まっています。各家庭から1人は参加しなければならないというのが習わしで、もし共同作業に出られないのなら3000円の罰金みたいなものを支払わなければなりません。

 地域でやや浮いているなという自覚症状がある私は、毎年この時期が近づくと「めんどくさいなあ」という気持ちになります。けれども「村の掟じゃあ」という声がどこからともなく聞こえてくるので、うっかりこの日を忘れて花見なんかに出かけるわけにはいきません。いろいろな疑問があるのですが、隣近所との付き合い、しきたり、行事に関して「言挙げ」は最大のタブーです。いや言挙げがタブーなのは何も田舎の隣組だけの話ではありません。

 コロナ対策・指導を取り仕切る総本山の厚労省においてさえ、課長が「飲み会やるぞー」と呼び掛けたら、だれも「そんな非常識なことはやめましょう」との声を上げず、課内20人以上のインテリ高級官僚が深夜まで居酒屋で大宴会にうち興じるのが日本という国のお国柄です。

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本誌:2021年4月19日号 14ページ

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