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特集[ウィズコロナのビジョン/海外展開] ジェトロ岡山貿易情報センター所長 相原君俊氏

海外取引が身近な時代到来 デジタル化対応急ぎ波に乗れ

  • 相原君俊氏

 ウィズ・アフターコロナの時代は、オンライン取引により地元企業にとって海外取引が身近なものになります。特に海外への商品輸出、販路開拓などは、さらなるデジタル化に取り組むことで中小企業、小規模事業者にとってもやりやすくなり、すそ野が拡大するきっかけに思います。

 販路開拓では今まで海外の展示会が有力な手段でしたが、新型コロナ感染拡大で昨年はほぼ全面的に中止となりました。全国的に国や自治体などは、それに替わり海外バイヤーとオンラインでの商談会を開いていますが、ジェトロでも力を入れています。必要に応じて約1カ月前に食品などを中心に商品のサンプルをバイヤーに送り、相手に事前に実物を手に取って確認してもらいます。その上で双方が商談に臨むのです。

 今後コロナが収束し展示会が開催できるようになっても、対面での商談との併用でオンライン商談会はある程度残っていくと思います。相手国との時差の問題がありますが、メリットとして海外への移動時間、費用を削減できるからです。

 ECを使った販売も今後大きく伸びそうです。コロナで各国のECが活況を呈しており、日本の大手の流通業者、メーカーもインバウンドの落ち込みをカバーしようと力を入れ実績を上げています。しかし、日本から直接の越境ECは言葉などの問題で中小企業にはまだまだハードルがあります。そこで、ジェトロでは海外のECサイトのバイヤーと地元の中小企業をマッチングする「ジャパンモール事業」を実施しており、コロナ禍で利用が爆発的と言ってもよいほど増えました。国内の指定商社などの買取型のため複雑な輸出手続きが不要、円建て決済で為替リスクがありません。しかも海外70以上のECサイトと提携し販売先も広がりメリットが大きいからです。

 一方で、企業側にも海外で売れる工夫が必要です。海外では物流費、関税などで現地販売価格が2倍以上になることが一般的です。そのため、まずは“試し買い”をしてもらえるように販売単位を小口化し価格を下げる工夫も方法の一つです。そうなると海外の販売先の客層のすそ野も広がるでしょう。こうしたオンラインでの取引拡大に向けた条件として地元の中小企業のデジタル化対応が不可欠で、コロナを機にさらに進んでほしいですね。

生産拠点の変更は慎重に

 海外の生産拠点の変更・撤退は慎重に検討してほしいですね。一時海外のサプライチェーンが寸断され商品や部品が調達できず、国内の生産や販売に支障をきたしました。これに対し一部の大手企業では海外の生産拠点を別の国に変更したり国内回帰の動きもありましたが、中小企業が急いで拠点を変更することはリスクが高い場合があります。ジェトロでは、業種や事業規模によりケースバイケースで各社ごとのオーダーメイドで支援メニューを作成していきたいと思います。

メモ

2001年ジェトロ入り。本部、大分、NYなどに勤務。前職はお客様サポート部海外展開支援課課長代理で、昨年8月から現職。

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