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連載記事杉山慎策の経営学考察

鍋島閑叟1

 今回は「肥前の妖怪」、「算盤大名」、「蘭癖大名」と言われた鍋島直正、通称「閑叟」(以下「閑叟」に統一する)についてである。九州は九つの国から成っていた。その内の「肥国」は「肥前」と「肥後」に分かれていた。「肥前」は現在の佐賀県と長崎県であり、「肥後」は現在の熊本県である。「肥」は「火」に通じ、阿蘇山に代表される火山の「火」を語源とする説や、「八代海の不知火」を語源とする説、また、「氷川町氷川(火川)」を語源とする説などがある。「不知火」とは、宇城市のホームページによれば、

   「不知火は、旧暦8月1日(八朔)未明に八代海(不知火海)の海面上に発生する蜃気楼現象です。気温が高い日中に海水面が暖められ、その海面が夜の冷気で急激に冷やされ、暖気と寒気が混ざり合った複雑な空気の層が作られます。その層により通常とは異なる光の屈折が起こり、その場にないはずの遠くの光が見える仕組みであるとされています。」

日本書紀にも景行天皇(第12代天皇でヤマトタケルの父)の九州巡幸の時に、「不知火の火」に助けられたという逸話が残っている。

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本誌:2020年夏季特別号 23ページ

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