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連載記事スローライフ~午後4時の窓辺から~

最近気になる言葉

(たてつけ) 

 前代未聞の感染症の拡大で国と都道府県の間に溝ができ、両者の間でいろいろ議論が戦わされています。そうした折りによく聞く言葉に「たてつけ」というのがあり、耳障りな言葉だなあ、と思うのは私だけでしょうか。「立て付け」あるいは「建て付け」とはもともと大工さんが使う言葉で、たとえば鴨居なんかがゆがんでいると障子やふすまはガタピシ、スムーズに開け閉めできません。こんなときに「建て付けが悪い」というのではなかったかと思います。

 ところが最近、大臣や知事の皆様が好んで「たてつけ」という言い回しを使っています。「法律のたてつけがそうなっているので……」というのが典型的な用例。一見分かりやすい言葉でありながら、実は有無を言わさず「そういうご要望には応えられません」と国民、都道府県民を言いくるめているような気がします。

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本誌:2020年4月27日号 11ページ

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