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連載記事杉山慎策の経営学考察

上杉鷹山2

 17歳で上杉家の家督を継いだ鷹山は、改革の決意を述べた誓詞を二つの神社に奉納した。一つは明和4年(1767年)8月1日に春日神社に収めたもので、明治になる前の慶応元年(1865年)に発見された。春日大社は上杉謙信が奈良の春日大社から分霊して創建したもので、春日山城から会津、米沢と移築された上杉家の氏神である。誓詞の内容は、①文学・武術を怠らぬこと、②「民の父母」の心構えを第一にすること、③質素倹約を忘れぬこと、④言行を一致させ、賞罰を正しくし、不順無礼がないようにすること―の4つの誓いである。

 もう一つは明和4年(1767年)9月6日に白子神社に奉納したものである。白子神社は文禄年間(1593年から1596年)に蒲生氏郷により米沢城の鎮守として創建され、上杉家に引き継がれたものである。この誓詞は明治24年(1891年)になって見つかった。内容は、①大倹(節約)の実行を誓い、②藩主としての政治改革を執行することを、神に誓ったものである。

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本誌:2020年2月3日号 17ページ

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