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連載記事賢い補助金の活用法

ものづくり補助金

  • 近藤厚志氏
  • ライスシロップ
  • フーデックス美食女子アワード2019

 よろず支援拠点とVISION岡山のコラボ連載企画「賢い補助金の活用法」。今回取り上げるのはものづくり補助金です。国際競争力向上や新産業創出を促すため、中小企業の技術革新や新サービス開発を支援する補助金で、多くの企業が採択され、事業展開に役立てています。

 足腰の強い経済を構築するため、日本経済の屋台骨である中小企業・小規模事業者が取り組む生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等の一部を支援する。正式名はものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金。

 ●募集時期 未定(201912月31日現在)

 ●対象と補助率 機械装置、工具・器具、専用ソフトウェア、知的財産導入経費、専門家謝金等、補助対象経費の2分の1または3分の2以内(上限額1000万円、下限額100万円)

 ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金を活用した支援事例

 マルクラ食品有限会社(倉敷市)

 テーマ ブドウ糖を主成分としたライスシロップ(コメを原料にした甘味料)の製品化

 ここ数年、甘酒は健康志向の広がりとメディア露出が後押しし大人気商品である。それに伴い、甘酒を主力商品にももつ当社は増収増益が続いた。しかしながら、過去には塩糀ブームが過ぎた後、売り上げの大幅減という苦い経験をしてきている。現在も甘酒は非常に引き合いが多いが、人気も少し落ち着きつつあるとともに、競合商品が激増していることから、各社売上は停滞傾向にあることから、流行の盛衰に先んじた商品開発に取り組んでいきたいと考えた。

 同社の強みである「糀の糖化技術」を生かしたライスシロップを開発したところ、提案先のバイヤーからは総じて高評価を得た。一方で、実際に取引をしていくためには、①消費者の利便性の観点からスパウト(キャップ)付きパッケージにする、②量販店の販売能力に見合う生産体制を構築する―等の課題対応が求められたことからモノづくり補助金を申請した。

 岡田康男専務のライスシロップ事業に対する熱意もあって補助事業は採択され、スタンドパックに対応するとともに高い製造能力を持つ充てん機を導入した。よろず支援拠点では、ライスシロップ事業を新たな取り組みである調味料事業としてとらえ、展開の進め方に関する事業計画策定支援を行った。また、岡山県産業振興財団にある知財総合支援窓口と連携し、商標権取得に取り組んだ。

 製造能力強化やブランド名を保護したうえで、フーデックスなど多数のバイヤーと商談できる大型展示会にも出展。多くの取引要請を受けると同時に、フーデックス美食女子アワード2019において「ママの愛部門」金賞を受賞、農林水産省が主催するフード・アクション・ニッポンアワード2019でも入賞100産品に選定され、多方面へのPRにもつながっている。

 同社は事業成長基調であるため、経営資源の調達やさらなる改善にも取り組む必要がある。よろず支援拠点は多様な支援機関と連携しながら支援を継続している。(コーディネーター近藤厚志)

本誌:2020年1月27日号 9ページ

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