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連載記事山田響子の魅力を引き出すコミュニケーション術

心を動かす伝え方

 私は、経営者や個人事業の方に向けて「価値を言葉で伝える力」のご指導をしております。「伝える」のゴールは、相手に何らかの行動や変容を生み出すことではないでしょうか。私のご指導のゴールは、就活生に選ばれる企業になる、製品やサービスのプレゼンテーションで成果を生み出す、という変化を想定しています。このように伝える力で人を動かすためには「頭で分かる」と「心が動く」の両輪が不可欠です。しかしその両輪をしっかり回せている人はとても少なく感じます。

 専門家と言われる人のお話が面白くなかった、という経験はお持ちでしょうか?私は何度も主催者の方が「人に紹介されたのであの先生に講演をお願いしたけれど、失敗だった」と言われている場面を目にしています。その方の話が面白くないには理由があります。それは「頭」の知識を「頭」で伝えようとしているからです。頭で伝えている人の話し方には大きな特徴があります。それは、話を聞きながらまったく「映像」が思い浮かばないという点です。

 人は何かを理解する時「映像」を浮かべながら理解するという特徴があります。心が動く伝え方ができる人は「イメージさせる」ことが上手な人なのです。その際たる手本がお笑い芸人さんです。笑わせるというのはとても高度な感情の変化を生むことです。テレビをリラックスして見ていて、お笑い芸人さんの言葉でつい吹き出してしまったという経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。その時、頭の中には映像が浮かんでいるのです。特に「すべらない話」などを代表とするエピソードトークで笑わせるという時にはしっかりと相手にそのシーンの映像を浮かべさせています。

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本誌:2019年8月19日号 19ページ

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