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連載記事杉山慎策の経営学考察

山田方谷2

 江戸時代の「藩」は一つの独立した企業のような形態であり、そのオーナーが「藩主」であった。「江戸時代の十大改革」で取り上げる殆どの「改革」はそのオーナー自らが取り組んだものが多い。勿論優秀な人材がサポートしたことは間違いないがオーナーが自ら改革に臨んだのに対し、方谷が取り組んだ改革の特徴の一つは藩主である板倉勝静から全権委任されて改革に臨んだことである。このことは大きな課題を方谷に与える。どんなに優れた人材で組織の中の多くの人たちの信望があったとしても、組織の改革、特に身を削るような改革を進めると、必ず身内の中に反対者あるいは妨害者あるいは無視者などが出現し、改革の道は一直線とは行かない。

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本誌:2019年7月1日号 19ページ

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