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コウノトリ放鳥

 日本から野生のコウノトリが姿を消したのは1971年のことだそうです。それ以来、兵庫県豊岡市にある人工飼育場で細々と命をつないできたコウノトリですが、人工繁殖のプロジェクトは順調に進み、最近では個体数が100羽を突破。ついに5羽が9月24日自然に帰されました。

 日本で絶滅した種と兵庫県立コウノトリの郷公園で飼われているシベリア産の鳥は、遺伝的には同種ということですが、トキにしてもコウノトリにしても、生粋の日本産のものを絶滅させてしまったことはやはり悔やまれます。

 それはともかく、放たれた鳥たちの背中には小型発信器が取り付けられていて何となくユーモラス。私の予測ではコウノトリは人里近くが好きな鳥なので、そんなに遠くまで飛んでいかないと思うのですが、もし遠出するなら隣県の岡山まで来てくれないかと期待しています。

 昔旅したモロッコの寒村で本物のコウノトリを見たことがあります。モスク(イスラム寺院)の尖塔のてっぺんに営巣し強風をものともしないで子育てをしていました。羽を広げると2mもある親鳥が餌を運んできて尖塔の先にふわりと止まる姿は優美そのもの。

 豊岡で放されたコウノトリが無事に繁殖して、ひいては人口減少率世界一の日本にたくさんのかわいい赤ちゃんをもたらしてくれることもあわせて期待しています。

本誌:2005年10.3号 20ページ

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